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第50回吉祥寺寄席「祝第50回!お座敷の上方舞と落語で はんなりと!」

吉祥寺寄席は第50回を迎えます。
常連でご参加の皆さまのお陰で、11年半で50回続けることができました。
ありがとうございます。

祝第50回の会は、11月15日(水)に、いつもの光専寺さんで開催します。

第50回を祝うゲストコーナーは、上方舞の吉村昂扇さん他と、地方(じかた:唄と三味線)の津塚美葉さんです。

天皇陛下の傘寿の私的なお祝いの際に、坂東玉三郎さんが普段の「踊り」ではなく、「上方舞」を舞われて、新聞などで話題になりました。
誠に僭越ながら、お祝いの席での「上方舞」にあこがれて、9年前にもご出演くださった昂扇さんにお願いさせていただきました。
掛詞や百人一首からの連想など言葉遊びを尽くした上方唄(地歌)の生演奏で、お座敷の上方舞を皆さまと共に贅沢に堪能したく存じます。

舞は、屏風を立てたお座敷で舞う素踊りが基本です。
歌舞伎から発展した踊りに比べると、能を基本として、しっとりとした内面的な表現です。
踊りと舞の違いは、例えば月を観るときに、踊りは見上げて直接月を観るのに比べ、舞は池に映っている月を観る仕草になるとも言われています。
また、踊りは上下運動、舞は旋回運動とも説明されています。
お座敷でお客さんから間近に観られるためか、ポーズのときだけでなく、どの一瞬一瞬を切り取っても絵になる緻密さを感じます。

昂扇さんは、ピーターさんのお父さんとしても知られる、人間国宝の故吉村雄輝さんの直弟子です。 
最初はおめでたい曲をと思いましたが、せっかくの機会なので、上方舞(地唄舞)の真ん真ん中の名曲を
皆さまと一緒に味わいたいと思い直し、悲しい恋の曲ながら、私も大好きなで美しい名曲として名高い「雪」と「黒髪」を舞っていただくことになりました。

地方の津塚美葉さんは、舞の会での唄と演奏を聴いて、深い味わいがとても好きになった方です。
吉祥寺寄席のために、わざわざ上方からお越しくださいます。

あと、おまけですが、吉祥寺寄席が紹介して2年半前から昂扇さんに舞を習っている、元吉祥寺寄席スタッフの春風亭一猿さんに日頃の稽古の成果を披露する時間を5分間上げました。
昂扇さんの一門の会以外では初めての舞台です。
まだまだ拙いながら、おめでたい「寿」の短縮版を舞います。
「踊り」を嗜む落語家さんは多いですが、「舞」は珍しいと思います。
舞うこともできる、所作の綺麗な落語家さんになっていただきたいと願います。

落語は、お馴染みの立川龍志さん、春風亭三朝さん、春風亭一猿さんです。

ベテラン枠の立川龍志さんは、向島生まれで、華やかで艶のある芸がとても魅力的な方です。
吉祥寺寄席は8回目の出演です。
ゲストコーナーの舞が悲しい恋の唄なので、「崇徳院」という楽しい恋の成就の噺で、第50回を締めていただきます。

若手枠の春風亭三朝さんは、趣味が「おしゃべり」だからなのか、落語の登場人物の会話が本当に自然で立体的で、その会話の輪の中に入って、楽しんでいる感じになります。
第50回を祝って「厄払い」というおめでたい噺を演じていただきます。

前座は、吉祥寺寄席5代目若旦那役のスタッフだった春風亭一猿さんです。
入門して3年、前座になって2年になりました。
落語も舞も頑張って精進を重ねていただきたいと願います。
今回は「松竹梅」という、やはりおめでたい噺で幕を開けます。

今回は、舞の場所を確保するために客席のスペースが少し狭くなるので、いつもよりも少ない人数で締め切ります。

はんなりした第50回をぜひご一緒にお祝いくださいませ。


第50回吉祥寺寄席「祝第50回!お座敷の上方舞と落語で はんなりと!」
日時: 11月15日(水)19:30-21:40過ぎ (いつもよりも長くなります。)
出演: 落語: 立川龍志 春風亭三朝 春風亭一猿
   ゲストコーナー: 吉村昂扇 津塚美葉 他
          「お座敷の上方舞を 生演奏の三味線と唄で」
会場:光専寺(サンロード突き当たりを左に曲がり数軒目。
    吉祥寺本町1-10-21 吉祥寺駅徒歩5分。
会費: 1800円 要予約

 

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立川 龍志

向島生まれ。
昭和45年 立川談志に入門
国立花形演芸会金賞受賞

吉村 昂扇
3歳より上方舞の楳茂都梅延に師事。
西川流(鯉三郎派)の踊りを勉強後、上方舞の吉村流に移籍して、
故4世家元吉村雄輝(人間国宝)に師事。
昭和57年より吉村昂扇として、国立劇場などに於いて、数多くの会を開く。
吉村雄輝逝去後、吉村流より独立。
上方舞と踊りの造詣を活かし、両者の合わさる座敷舞を後継に伝える。

津塚 美葉
地歌三絃・箏・胡弓演奏家
幼少より母津塚紀子、祖母津塚百合子の手ほどきを受ける。
大阪音楽大学器楽科箏専攻卒業。
卒業後も故菊原初子師(人間国宝)に師事し、三味線本手組歌三十二曲を教授される。
舞の地方(じかた)は楳茂都流、山村流、吉村流、京舞篠塚流の地方をつとめる。
京都にて「地歌七色」と題したコンサートを主宰し、不定期で開催する。
地歌三絃/箏/胡弓と地歌を取り巻く諸芸能との関りを紹介する企画を行う。
一般財団法人日本当道音楽会大勾当大師範

春風亭 三朝 平成14年 春風亭一朝に入門 平成29年 真打昇進 NHK新人落語大賞受賞 春風亭 一猿 吉祥寺寄席スタッフを経て 平成26年11月 春風亭一朝に入門。前座見習い。 平成27年10月 前座になる。